線香花火
“ 大地 ”って空海君のことだよね

胸がチクッと痛んだ


駆け寄ろうと思い

1歩踏み出そうとしていた足が宙で留まる


空海君の後ろから走ってきたのは……


「...瑚蝶」


瑚蝶愛深莉(コチョウ エミリ)さん

私たちと同じくB組だけど

クラスの中でも派手な方なグループだから

まだ話したことはない


そう考えていた時


「ねぇ〜 一緒に帰ろっ??」


空海君の腕に抱き着きながら

愛深莉さんが上目遣いで空海君を見上げた
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