線香花火
どれくらいの時が経っただろう

横を歩く人々が皆こちらを見ていく


こんなところにずっといるわけにはいかない

そう思い

立ち上がろうと電信柱に手をついたその時



「──香咲!!??」

誰かが私の名を呼んだ

声の方を見上げる



『拓也...君……?』

「大丈夫か!?」

声の主が私をゆっくりと立たせてくれた


光星拓也(ミツホシ タクヤ)君

小学校の高学年からずっと同じクラスで

高校になってからは別の高校になってしまったため離れてしまった


「どうしたんだよ!?」


『うん、ちょっとね……』

心配そうな顔をする拓也君に

私は苦笑いしかできなかった
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