線香花火
『……私は...空海君に想いを伝えたい

フられても構わないから

自分の口で、ちゃんと……』


「そっか……」


私の言葉を聞いて

拓也君は何故か一瞬悲しそうな表情をした

どうしてか分からず聞こうとしたが

『拓也k...「なら今すぐその想いを伝えてこい!」

拓也君にそれは遮られ

トンッと背中を押された


それはまるで

“ 聞くな ”と言っているかのようで


私は背中を押された衝撃で走り出した








「これで俺の初恋も諦めることができるかな…………」


独り言のようなその声は

私に聞こえるはずもなく

どこまでも広がる空へと消えていった
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