線香花火
今まで生きてきた中で

こんなに声を張り上げて叫んだことなんてない

そのくらい、大事なことなんだ

周りの視線や羞恥心なんて今は関係ない

愛深莉さんにも邪魔はさせない


二人がこちらを振り返る

ゆっくり息を吸って

私は空海君の目を見ながら言った


『私っ……!


空海君のことが好きです!!』


ちゃんと……言えた...


『誰にでも優しくて


いつも困った時やピンチの時

私を助けに来てくれて


今だって、こんな私を心配してくれた


そんな空海君だから……

私は空海君が好き!』


フられてもいいんだ

ただ……

目の前で驚いているあなたに

私の初恋の人に

想いを伝えたかっただけだから
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