線香花火
通話を終えた後

私は自分の部屋から出て

隣にある部屋のドアをノックした


「はーい」


ドア越しでくぐもってはいるけど

自分と似た声が部屋の中から聞こえた

それを聞いてからゆっくりとドアを開けた


そこにいたのは……


「どうしたの?祝花」


『ん?福花に知らせたいことがあってね!』


香咲福花(ケイサキ サチカ)

私の双子の妹

因みに二人の名前の最初の文字を取ると

“ 祝福 ”っていう言葉になるんだ


福花は私よりも頭が良いから

綾坂(アヤサカ)高校という

この辺りでは一番の名門校に通っている


「なになにー?」


福花が興味津々というように

身を乗り出してきた
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