ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~
「だったらいい、あんたは今までどおり俺たちの歌の手伝いだけをすればいい。
この話はなかったことにしろ。
お前らも!アイツに絶対誘ったりするなよ。
やらないって言ったのはアイツなんだから、ブルーウィンズは今まで通り“4人”だ」
湊くんはそうみんなに言うと、ギターを片付けて音楽室から出て行ってしまった。
「……ごめんなさい」
湊くんが音楽室からいなくなる瞬間、あたしは小さな声で謝ることしかできなかった。
他の3人は黙ってその姿を見つめていて……。
彼がいなくなった後、あたしもこの場に居辛くなって心配してくれる3人から逃げ出してきてしまったんだ。
「あたし……なにやってるんだろ」
自分のせいで、ブルーウィンズの雰囲気まで悪くしてしまった……。
あたしが弾いた時、彼らは楽しそうに聞いてくれてたのに。