ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~
Chapter 8「だから、俺についてこい」
あの日、中学生以来にピアノに触れて、無意識に弾いたあたしは……
あの忘れたい過去への扉を開いてしまった。
それからあたしの足は決して第二音楽室に向くことはなく
一週間があっという間に過ぎ、今日でもう2週間目になる。
毎日あの日のことや過去のことを思い出しては悩み続けていた。
「8回目」
「え、何が?」
昼休み。
あたしはいつものように美紀とお弁当を食べていた。
と言っても、あたしは箸を持ったまま考え事をしていただけなんだけどね。
「結愛のため息の数。
結愛がそんなにため息ばっかり吐いてるとなんだか私もブルーになってくるよ」