ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~



「なんで樹がいるの?」



「おばさんに結愛がゾンビのようになって帰って来たからどうにかしてって



買い物に行こうとしてたおばさんとエレベーターホールで鉢合わせして言われたからそのまま来た」



ゾンビって……。



もう少し、“落ち込んでる”とか、“いつもと違うから”とか代わりの言葉は



考えればたくさんあるはずなのに、ゾンビを選んだお母さんはありえなさすぎる。



「いいよ、じゃあゾンビで」



「は?今日はそんなにライブで失敗したの?



いつもなら、お母さんのバカ!とか散々言うくせに珍しいな」



そう言いながらも樹はクスクス笑ってる。



そしてモヤモヤしてんなら俺に話してみれば?と言ってくれた。



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