ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~
「来るわけないですよ。
朝、言ったじゃないですか。アイツはこのバンドを辞めたんです」
と冷たく言ってきたのは祐くん。
やっぱりそうなんだ。
授業中ずっと考えてた。
これは実はあたしを驚かせるためのドッキリじゃないかって。
でも……それはあたしの願いだったんだね。
「じゃあどうして湊くんは辞めちゃったの?
湊くんは本当にこのバンドをやりたくなくて辞めたの?」
そう聞くと、航平くんと祐くんは広夢くんを見て“話せ”と目配せをしていた。
「……すいません。今回の発端は全部俺のせいなんです」
と言って広夢くんは話始めた。