ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~
「……というわけで。
完璧俺が言い方間違えて、湊が辞めることになってしまったんです……」
広夢くんはため息を吐いて俯いた。
だから、広夢くんの右頬には楽譜で擦れた傷ができてるんだ。
祐くんと航平くんはあたしとはそれぞれ違う方向を向いていた。
でもあの状況にいて、弁解しなかったってことは二人も広夢くんと同じ気持ちだってことだよね。
内容は把握できた。
でもあたしは何もみんなに声をかけられることもなく。
その後、重苦しい空気が10分程続いた。
その間誰も喋ることはなくて、みんな抜け殻のようだった。
もうそんな空気にあたしは我慢出来なくて、パンッと一回手を叩いた。