ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~
Chapter 11「先輩って本当は彼氏いませんよね?」
「湊はいないけど、見にきてくれてることを信じて
最後までやり通そう!」
「「「オーッ!」」」
あたしたちは幕の向こうにいるたくさんの生徒たちの声を背中に
ステージ上で広夢くんの掛け声で円陣を組んだ。
とうとうクリスマスイベントの日がやってきた。
幕の向こうからは「早く始まらないかな?」「ブルーウィンズ!」という生徒たちのウキウキした声がたくさん聞こえてくる。
そしてみんなは楽器の前に立ってチューニングをして音を出し始めた。
その音を聞いて「キャー!」という黄色い声が体育館中に響き渡る。
あたしはスタンドマイクの前に立って目を瞑って、大きく息を吸って心を落ち着けた。