ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~



……緊張する。



もうこんな大舞台でメインボーカルを務めるなんて最初で最後にしたい。



でもこんなすっごい緊張する中で、湊くんはいつも緊張を見せずに歌ってたんだ。



すごいな、あたしには絶対できないことだな。



「ブルーウィンズの皆さん!準備OKですか?」



舞台袖から顔を出した生徒会役員の言葉に、広夢くんはあたしたちを一通り見て



「OKです!」



と親指を上げて答えた。



「ではお願いします!」



その言葉を聞いていつもどおり祐くんが幕が上がると同時にドラムのバチを叩き始めた。



そしてあたしは前奏なしで歌い始める。



新曲の「The Clumsy boy(不器用な男の子)」を。






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