ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~



むしろ逆の印象ばっかり持ち始めた。



音楽を誰よりも好きで、努力家で、妥協は絶対に許さなくて、



何に対しても決して曲げることなく、まっすぐで



それでも……不器用な優しさを持ってる。



それが……あたしが一緒にいて知っていった湊くん。



あたしの歌う姿に湊くんはいったいどう思っているんだろう。



下手くそ?全然心に響かない?練習が足りない?



でもあたしはこの曲を湊くんのことを考えながら歌ってるんだよ。



一曲目は、そうやって考えているうちにすぐに終わってしまった。



そして曲が終わって、余韻もなくなると、あたしは一度マイクから離れたんだ。



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