ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~



そして、スタンドマイクからマイクを抜いて、祐くんの元にいく。



「今回の新曲のメイン担当は……俺がしました」



すると『キャー!』という黄色い声と、『祐くーん!』という高い声が返ってきた。



さっきのあたしへの反応とはやっぱり天地の差だ。



「実話か誰かの話を参考にしたのかは皆さんのご想像に任せます。



この曲はラブソングですが、日頃素直になれない男子へのエールでもあるので……



まあ、今日頑張ってください」



最後はぶっきらぼうに言い捨てるとあたしにマイクを返してきて



『これ以上突っ込まれたくないから次の曲早くして下さい』



と小声で祐くんが言ってきた。



< 231 / 303 >

この作品をシェア

pagetop