ブルーウィンズ～ラブソング嫌いなボーカリスト～

あたしは丸投げしたから良かったんだけど、もちろんそれを良くないと思ってる人もいる。



「本当結愛先輩、勘弁してくださいよ！俺、全然考えてなくて焦ったんですけど」



と言いながら祐くんはちょっと怒っている。



まるで空気を読んだかのように『すみません！次のプログラムがあるので楽器の移動お願いします！』と生徒会役員の指示が出て



あたしは『ごめーん！』と言ってその場を逃げた。



そして自分の楽器をそれぞれ片付ける中、あたしは司会のマイクを借りてたから



マイクスタンドを持ちながら司会の人の所に行こうとしたら……



「お疲れ様です！これは僕の方で移動するので大丈夫です。



あと……メンバーの湊さんから結愛さんに伝言をもらったんですけど」



と言って声を掛けてくれた。



「あの、湊くんは何て言ってたんですか？」



あたしは飛び付くようにすぐに返した。