ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~



Side 篠田 湊



俺はだるい始業式をサボるために、教室に行かずそのまま誰もいなそうな第二音楽室に向かった。



それはもう自然と俺の足が止まった先だった。



音楽室のドアを開けると、待っていたのは…



くしゃくしゃに丸められた紙くずと横向きになって倒れ込んだ結愛の姿だった。



「おい!結愛!起きろよ!」



と大きい声で声を掛けてみても、ビクともしないし、起きる気配もない。



「…………」



「結愛!結愛!



しっかりしろよ!」



いつもの俺ではありえないくらい動揺していた。



< 259 / 303 >

この作品をシェア

pagetop