ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~
だけど、部分的には使えそうな良いフレーズもあった。
ラブソングのために生み出した嘘の言葉じゃなくて
本当に感じたんじゃないのかと聞いてみたくなるような素直な言葉もたくさん見つけられる。
そして俺は近くに大事にファイリングされた歌詞を見つけた。
「なんだ、もうできてんじゃん」
俺はその歌詞をファイルから抜き取ってすぐに読んでみた。
「なんだこれ……」
びっくりした。
ちゃんと読んでいるとまるで自分が書かれているように感じた。
それはもう今までのことが思いださされるような歌詞で……。
俺はファイルに入った歌詞だけ戻すと丸められた紙を持って音楽室を出た。