ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~



「そんなのスパっと簡単に言うなよ。



お前の彼氏に俺が怒られるだろ。会ったことねぇけど」



髪を掻きながら照れくさそうにいう湊くん。



そうだ、あたし湊くんにずっと嘘をついたままだった。



「…………」



「今日披露した曲だって、彼氏に向けて書けばいいのに



なんで片思いしてるような曲作ったんだよ?



かなり矛盾してね?」



ツンとあたしのおでこを人差し指で押した湊くん。



怒られちゃうかな?と思いながら湊くんを見るけど、彼はあたしの答えを聞くのを待っている。



ここまで来たらもう言うことしか残ってないよね。



この今の気持ちを全部、全部、湊くんにぶつけたい。



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