ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~
あたしの話を黙って聞くと、また『はぁ……』とため息をついた。
「……最初の話と最後の話違ってんだろ。ったく、絶対国語できなそうだな。
ったく、あんたの嘘のせいで一度は俺は諦めなきゃいけないと思ったんだからな。
でもこれから俺のそばにいるならいいか。
俺も結愛と同じ気持ちだよ」
と湊くんは言うと……
あたしに急に近づいて来て、何が起こるの?と思っているうちにぎゅっと優しく抱き締めてくれた。
あたしも湊くんの背中に手を回して思いっきり抱き着く。
振られたと思ったからすっごくうれしい!
だってあの自分の作った曲で本当に叶っちゃったんだもん!
「行くぞ。みんなのこと放り出して来たんだろ?」