ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~



「いつかは俺たちから送るラブソングではなくボーカルの湊から届けてもらえるように



俺達3人も頑張るのでこれからもよろしくお願いします。



ではではこのしんみりしてしまった曲を一気に変えていきます!って、あっ!先輩!」



リーダーの広夢くんとまるで……



ーーバチン!



というようなアニメの効果音が鳴ったかのように思いっきり目が合ってしまった。



やばい!やばい!



こんな後ろにいたのにやっぱりバレちゃったよ。



あたしはとりあえずその場にしゃがみこんで広夢くんからバレないように試みた。



「結愛、どうしたの?大丈夫?」



心配そうな声であたしと一緒にしゃがみこむ美紀。



あ、これならいけるかも!と思った嘘が見つかるとあたしはすぐに



「……人……酔いしたかも。ごめん、あたしここから出るね。


美紀は最後までライブ楽しんで」



と言って後ろからの「せんぱーい!」という広夢くんの声を聴きながらあたしは人ごみを掻き分けて音楽室から脱出した。


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