ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~



「先輩!!!」



昼休みと放課後に少ししか会わなかったけど



眠っていてても分かる。



うわばきの色も合ってる。



この人は間違いなく今日会った先輩だ。



「君たち、この人の知り合いかい?」



「ちょうど良かった。もう図書室を閉館しなきゃいけないだから連れて行ってくれる?」



図書委員の人たちは俺が先輩を呼んだ瞬間、あからさまに嬉しそうな顔をした。



何をやっても起きなかったんだろうな。



いったいどこの夢の世界まで行っちゃったんだか。



でも……本当に見つかって良かった。



あとは……彼女を連れていくだけ。



俺は彼女を背中に背負って階段に上り、4人で音楽室に戻ったんだ。


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