ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~



「おっはよう、結愛!文化祭終わっちゃったね。



でも後夜祭のブルーウィンズっていうバンド本当に良かったでしょ?」



ねっ?ねっ?と言いながら共感を求めてくる美紀。



1人で次回も見に行かなくちゃ!とまだ次回のライブは来週なのに張り切っている。



「そうだね。あたしはまだよく彼らが分からないけど……」



だって前から第2音楽室で活動しているバンドがあるっていうのは美紀から散々聞かされてたけど



この間の後夜祭で見たのが初めてだし、彼らは学校でどんな存在なのかすら未だに分からない。



「もしかしてブルーウィンズに興味持った?」



目をキラキラさせて、今にも話したそうな彼女。



一度話させたらもうマシンガントークのようにあたしが質問する隙も与えないくらいになるのは目に見えてて



「…………」




結局返す言葉がなかった。


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