ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~
Chapter5 「どうして音楽室にいたか知りたくないんですか?」



あれから土日が来てまた新しい週が始まった。



もう季節は夏の気配は一切なく秋で一色。



日は本当に自分でも分かるくらい短くなってきたし



暑さだって和らいできたからそろそろブレザーが必要になりそうだなって感じ。



そして今週はブルーウィンズのライブ公開はない週。



最近気付いたらいつも「早く聴きたいな」ってそんなことばっかり考えている。



「あー早く来週の金曜日来てよー!」



あたしはベッドにゴロゴロしながらそう呟いた。



もしCDがあったら、いつだってブルーウィンズの曲が嫌になるくらい聴けるのに…。



歌詞もあんまり覚えられてないから、鼻歌しか出てこない。



「来週の金曜日は何かあるの?」



「え?だってその日は……って、樹?」



声のする方に視線を向けてみるとドアノブを持ってあたしを見ている樹の姿があった。


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