ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~
だけど……
彼らは違った。
ボーカルの彼は決して笑顔を見せてくれなかったけど
あのうたを歌っている時は常に“音楽が好き”っていう気持ちを見せていて
彼の声がみんなをブルーウィンズの世界に引き込んでいた。
ボーカルの脇にいたギターとベースの男の子達は逆に笑顔で
“みんなと楽しもう”と“この高校時代を誰よりも楽しんでやる”という熱意が伝わってきた。
そしてボーカルの後ろにいたドラムの人はバンド全体を支えているように見えて
曲のバランスをリズムで上手にコントロールして陰役だけど輝いていた。
何より一番思ったのはとてもじゃないけど……
このバンドが半年前に結成したバンドには思えなかったこと。