油断は大得?!
きっかけ

もう!…卵安いからってワザワザ寄ったのに…。それが…売切れって。……はぁ。
仕方ないから渋々高いの買って…、おまけに余計なものまで買ってしまった…、ってこれは自分の意思が弱いだけなんだけどね。

なんてブツブツ周りに聞こえてしまいそうな独り言。

買い物する時間も結局長くなったからスーパーの出口で時間を確認した。
良かった。直己の帰宅予定にはまだ時間は充分ある。
急がなくっちゃ…。

小走りに出た私が悪かった。
歩みを始めた途端。
ドンッ。
いきなり誰かとぶつかってしまった。

カシャカシャって…、嫌な音がした。割れちゃったな…。
でも‥悪いのは私。

「ごめんなさい、大丈夫ですか?」

…ここで顔を上げたら、上から見下ろしているのは“長身、イケメン"…って、ドラマでは相場が決まってるんだけど…。

「いや、コッチも前見て無かったから」

声は低音で良い感じ!
…で、見上げた先は…。

あっ。
心で小さくガッツポーズ!……ドラマみたいかも…。
たまにはラッキーな事に遭遇しても、バチ当たらないよね?

「…あの、大丈夫?」

「あ、は、はい。大丈夫です」

手を取って、しゃがんだままの私を立ち上がらせてくれた。

「…ごめん、怪我とか無いかな?
大丈夫だったら…、急いでるから、ごめん」

「あっ…」

もう行ってしまうの?

余程急いでいるのだろう。直ぐに姿は見えなくなった。

まあ、こんなモノよね普通は。
流石にドラマみたいな出会いもここまでか…。
っと、急がないと。
何個か割れてるはずだけど帰ってから確認しよ!

私はまた小走りで帰りを急いだ。
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