油断は大得?!
ヤキモチが止まらない

「おい、み、な、み。大丈夫か?お〜い、美波」

ご飯を前にボンヤリしていたのだろう。顔の前で直己が手を振っていた。

「冷めるぞ?」

「…あ、ごめん…。何だか、綺麗な景色…、思い出してたから」

「…そうか」

「…うん。あのね、湯船と海と空が繋がってるみたいで。それに夕焼けが凄く綺麗だった。あんな一体感のある景色見たこと無かった。
有難う、直己。
凄く綺麗だったし、感動した」

「そうか?良かったな。さあ、食べよう、冷めてしまう」

「うん、ごめん。どれも凄く美味しそうね」

魚は、お刺身、唐揚げ、煮付け。お肉も、すき焼き、揚げ物など種類が豊富で、野菜も、そのものの味が濃くて美味しい。

「…美味し〜い」

「ああ、旨いな」

「直己、お酒は?」

「いや、まだ飲まない。後で美波と風呂入るし」

まだ言ってる…。
もう、別に一緒じゃなくてもいいじゃん。


いい頃合いに、仲居さんがお膳を下げに来た。
全て片付いたら、奥の部屋に寝具を整えて下がって行った。
もう、お邪魔は致しませんよ、と囁いて行った。
囁くと言えば…報道番組で見た囁き女将みたい。
あ、こっちは宿で元、か。

まだ食後だからと、お風呂には入らず、お茶を入れて寛いだ。
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