油断は大得?!
それは…ちょっとはときめいたわよ。そこは認めるけど。だからって、何かに発展するような、そういうものではない。

「ちょ、ちょっと待ってください。確かにぶつかった時、ドキドキしました。イケメンだとか、長身でスーツが格好いいとか、声がいいとか…色々思いましたけど…。それは…、それだけの事です。あることです」

「いや、認めたね。
それだけ一瞬で思ってくれてたなんて、感動すら覚えるよ。今だって取りようによってはデートと解釈出来ないこともない。
もっと言えば、君から誘ったとも言えなくもない」

これ以上話しては駄目。変に納得させられそう。話を聞いてはいけない。

「もう、いいですか?」

「ああ、いいですよ。俺としては、門前払いされそうだった状況からのここですから。凄い進歩です」

「…それは。もう、こう言う事は…止めてください」

「なんなら、椎名さんに宣戦布告しましょうか?その方がいいな。俺、連絡しますから」

「もう…。ちょっと待ってください…」

「いや、この件は俺と椎名さんの問題だから、貴女には関係無いですよ。
では、今日はこれで退散します。
…また近いうちにお会いする事になると思いますよ?じゃ」

何が、じゃ、ですか…。
帰ると決めたらアッサリ帰るものだと感心する。
はぁ…一体……何か終始押され気味で…。翻弄されて疲れた。
一方的に押しつけられても…。
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