油断は大得?!
不安も安心も

なんでこんな時に限って直己は連日の残業。
私、次の休みまで、溜め込んだまま持つかな…。
直己だって疲れてる。こんなくだらない事、言うに足らない事だろう。

無視していればいい。何を言われても私が揺るがなければ問題無い事。
きっかけも何も、ぶつかっただけ。

私に何かあるとすれば、ちょっと無い事に出くわして、ちょっとだけ浮かれた事。この部分。
これ以上掘り下げる内容でも無い。

とにかく、一之瀬さんが直己に連絡をして“宣戦布告”したとしても、直己も私も変わらなければ何も心配する事なんかない。
婚約してる訳じゃない、結婚してる訳じゃないなんて言うけど、わざわざ壊すような事…。

…駄目駄目。
心理戦のようなモノで不安を掻き立てて来るつもりかも知れないんだから。
また会うかも知れないなんてのも、動揺を誘うはったりよ。
直己と互いに信じ合って居ればいいだけの事。


私は一之瀬さんの名刺を取り出し、迷いなく、卓上シュレッダーに差し込んだ。


言葉に悩まされる程ではない。
不安に成らず、信じる事。
直己に信じて貰える自分で居る事。
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