油断は大得?!

更にいきなりだ。

「ちょっと待ってて」

一之瀬誉はパーティー会場へ戻って行った。

……別に待ってる訳じゃない。私は自分のペースで休んでいるだけ。


しばらくすると一之瀬誉が戻って来た。

「はい、これ」

ショートケーキのBOXのような物を差し出された。…何?

「ずっと挨拶回りで、まだ何も食ってないだろ?終わったら、すぐここで足の治療してたみたいだし。
料理を給仕しているお姉さんに頼んで、サンドイッチとローストビーフ、入れてもらったから。
それと、これはあっちの裏からこっそり出て買って来た」

ジンジャーエールを差し出された。

「おしぼりも入れてもらってるから、遠慮なく、どうぞ」

支配人、一之瀬の顔なのか。それとも、素の一之瀬誉なのか…。
良いところを見せたいの?

正直、お腹は空いていた。
タイミングだ、お腹も食べ物を見て反応してる。グーッて。これはこれで恥ずかしい。

「ほら、腹の虫が呼んでるぞ、早くくれーって。
俺が奢ってる訳じゃないし、食べる場所が違うだけで、元々ここの料理だ。遠慮する理由が無い」
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