油断は大得?!

「ドラマみたいな事があって」

「ドラマ?」

「うん。買い物が終わってスーパーを出てね、ちょっと慌てて走ったらね、当たっちゃって」

「当たったって?」

「じゃないか。ぶつかっちゃって、人に。
それで卵が何個か割れたのよね」

「で?それがなんでドラマなんだ?」

「その人がねぇ…、えへへ」

「…何だよ」

「長身で、イケメンだった!」

「はぁあっ?」

「以上、…終わりです。
ぶつかったからって、イケメンに当たる確率は少ないでしょ?しかも長身だったし。
あと!声もねー、こう…なんか、響くような低音でね、…ごめん…大丈夫?って感じ。
そんなの、やっぱりドラマみたいでしょ?
ね?ね?」

「…」

「それから立ち上がらせてくれて、急いでるって、すぐ居なくなったちゃったけどね」

「………それがドラマだって?」

「そう。中々無いと思わない?
そんなシチュエーションで、更にイケメンて事が。大抵は、あっても、極々普通の人、って決まってるじゃん」

「ふ〜ん…なるほどね。
…まぁ、いいんじゃない?たまには」

「まあね…。あと…ううん、何でもない」

ちょっと拗ねたかな?
いやいや、今更。
長〜い付き合いで、そこまでは無いだろう…?

……あれ?機嫌損ねたか、な…?
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