油断は大得?!

「…なぁ、美波ぃ」

「な…な、に?」

「……ドキドキしたのか?…そいつに…」

「…え、……ぅ、正直、ちょっと?」

「ちょっとぉ?」

「ほ、ほんのちょっぴりだけ…?よ…」

「だけぇ?」

「…だけ、よ?」

「ふ〜ん?…まあ、いいさ」

「そうだよ。また会う訳じゃ無いし。
それだけの事だよ?」

「…。お代わり」

「はい…」

なんだか無口になっちゃって…。


ご馳走様って食べ終わって、食器を下げ、洗っていた。

バフッ。
いきなり後ろから腰に手が回された。

「ビッ、ビックリした〜…。直己ぃ?」

「…美波、…妬ける。………妬けるんだけど…」

肩に顎を乗せられた。

ちょ、ちょっとー、狡くない?直己君~。急に甘えキャラって…。狡いよ…。

「直己、あのね。お皿、割れたら大変だから、離れてくれる?」

ドキドキするから…離れてよ。

「…大丈夫」

「大丈夫じゃない。あっ、コーヒー入れるよ、ね?だから、向こうで待ってて?」

いきなり私の手からスポンジとお皿を取り上げ、シンクに置くと、水を出して私の手に手を添えて泡を一緒に流し始めた。

?、一緒にタオルで手を拭いた…。
おもむろにエプロンの紐を解き、クルッと反転させられた。

「片付けも後でいい。コーヒーも要らない。
今は美波が要る」

言い終わると、抱き上げようとする。

「うわっ、直己、何?ちょっと危ない…。
止めた方がいいって。軽くないから腰痛めるよ?」

「大丈夫、美波の一人や二人。任せとけ」

いや、私的には任せたくない…。
だけど軽々と持ち上げられた。

「…いや、直己ぃ。あのね、帰って来てご飯作ってたから私まだシャワーもしてないし…」

「じゃ一緒に入る」

「えー?直己はさっき入ったじゃん」

「よし、決まり!」

…いや、全然聞いて無いし…。

イケメンさん…、スーツ姿が三割増しで格好良かったって事、付け加えて言わなくてまだマシだったのかな…。
言ってたらもっと…大変な事になってたのかな…。

直己、大人気ないよ?
でもヤキモチ妬いてくれるのは嬉しい…。
直己…好き…。
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