油断は大得?!
嬉しいはずの休み
…明日休みだから良かったようなものの。
いやいや、良くは無いか。
浴室に運ばれ、あっという間に身包み剥がされたかと思うと、シャンプー、そしてボディソープで丹念に身体を洗われ…。
挙げ句、浴槽の中で…逆上せる寸前になるまで……。
救助されバスタオルに包まれ、また運ばれた。ベッドに…。
……美味しく?頂かれてしまいました。…何度も……。
「なあ、美波?…」
「何っ」
私は少しお冠気味だ。だって…凄い怠いし。
ごめんごめんと抱きしめられた。頭にキスを落とされた。更に抱きしめられた。……もう。直己…。
「今度のシルバーウィーク、確か、後半休みだったよな?」
「え、うん。最後の二日間だけね。…それが?」
「俺も休み取れたんだ」
「へえ、直己と休みが重なるなんて、凄く貴重かも」
「だろ?それでさ、温泉、行かないか?」
「温泉?でもこんなシーズン中、今からなんて無理でしょ?取れないでしょ?」
「それが、棚ぼた」
「棚ぼた?」
「ああ。後輩が彼女と行こうと内緒で計画してたのに。…アイツ、急に振られちまって。
どうやら別の課の女の子、つまみ食いしたのがばれたみたいで、アッサリ振られちまったんだ。それで計画もパー。
だから、アイツの取ってた休暇と俺のを換えて、ついでにキャンセルは勿体ないからって、俺が貰った。格安で。どう?」
「どうって、いいの?格安って…」
「良いんだってさ。ケチがついたモノを先輩に譲るなんて…気が引けるからって言うんだ。
縁起が悪い的な?とか言って。
別にそこは気にしないだろ?温泉は温泉だから」
「気にはならない…。で、何処?」
「ん、まあ…、それは当日まで内緒っつう事で。楽しみにしててよ。ガッカリはさせないから、な?」
「うん」
直己と温泉。嬉しいし、楽しみは楽しみなんだけど。別に内緒にしなくてもいいかなとは思うけど。
これが後で…ゴタゴタの元になるなんて、この時は思いもしなかった。
まさか…本当にケチが付いてたのかしら…?。