嘘に滲む
『それが麻由の本心なら』

本心な訳無い。
でも私の嘘からもう解放させたいの。

彼が信じて見ている私は、殆どが嘘の私。


本当の私を知ったら、嘘に毒された私を知ったら。

嫌われるのが怖から。

せっかく大学に入って嘘の無い人生を送ろうとしても、一番嘘をつきたくない大切な人に嘘をつかなきゃいけないから。

ごめんなさい。










「心臓が生まれつき悪いって言ったでしょ?あれ、嘘なの」


「えっ?」








「嘘なのよ」
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