嘘に滲む
「えっ…」


何で…?
だって私は嘘をついたんだよ…?
私はあなたを…










「全部知ってたんだ。嘘だって。」


「は?」

雰囲気をぶち壊すにも程がある。唖然とはまさに今の私の事だ。


「麻由は嘘をつくとき悲しそうな顔をする。知ってた?」


…そんな優しい顔で見ないで、また涙が出て来る。
ってか私、そんなの知らないし、聞いて無いんですけど…


「だから俺は分かってたってわけ。」


「でも私は真を騙そうとした…」

そうだよ。私は彼を傷つけようとしたんだ。
そう言うと彼は得意げに笑って

「騙そうとなんてしてないでしょ?」


と言った。

< 7 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop