心の中を開く鍵
「……本当に、あなたは一体何をしたいんですか」
「昨日、言っただろう」
私を口説くって? それなら聞いたけれど。
そう言えば、大学時代もあなたから声をかけられたんだよね。そんなことも思い出した。
まぁ、ともかくさ……。
「迷惑だって言ったのは、忘れ去られているんですね?」
「口説くのを迷惑だとは言われていないからな」
何故か清々しいくらい爽やかな笑顔を向けられて、じとっとした目で睨み返す。
「同じ意味でしょうに。解っていながらそうするのは、いい大人のくせに常識がないと言われてもしょうがない行為ですけど」
「こういうことに、子供も大人もあるのか?」
そんなの知らないから。でも、こういう事をされるのは困るというはハッキリしている。
また黙り込んだ私を見下ろして、翔梧が首を傾げた。
「何を考えているんだ?」
「パワハラに該当するか、もしくはセクハラに該当するか考えています」
「別に俺はつきあえと強要しているわけではないし、嫌がっているお前にベタベタ触っているわけでもない」
連絡先を教えたくないと伝えてはいないけれど、それとなく匂わせているのに聞いてくるのは該当しないんでしょうか。
溜め息をついて歩きだしたら、思った通り翔梧は私の隣をついてきた。
「今度のプロジェクト。あなたもミーティングに参加するんですか?」
「毎回ではないかもしれないが」
それなら、その都度会うことにはなりそうだ。
バックから名刺入れを取り出して、会社用の連絡先が記載されている方の名刺を出し、それを指先で渡す。
「これでいいですか」
「……私用連絡先じゃなさそうだな」
名刺を一瞥して、翔梧は冷静に呟いた。
まぁ、その通りなわけですが。
「とりあえず、家まで送る」
「結構です」
「じゃあ、食事に誘ってもいいか?」
……翔梧って、こんな人だったかな。ああ、でも、つきあうまではこんな感じだったかも。
いわゆる、釣るまで撒き餌をばらまいて、釣った魚には餌をやらないタイプということか。
またまた黙り込んだら、今度は顔をしかめられた。
「また何を考えているんだよ」
「これはストーカー行為に該当するか検討しています」
「……それは否定しきれないから、訴えるのはやめてほしい」
それは自覚しているんだ?
「昨日、言っただろう」
私を口説くって? それなら聞いたけれど。
そう言えば、大学時代もあなたから声をかけられたんだよね。そんなことも思い出した。
まぁ、ともかくさ……。
「迷惑だって言ったのは、忘れ去られているんですね?」
「口説くのを迷惑だとは言われていないからな」
何故か清々しいくらい爽やかな笑顔を向けられて、じとっとした目で睨み返す。
「同じ意味でしょうに。解っていながらそうするのは、いい大人のくせに常識がないと言われてもしょうがない行為ですけど」
「こういうことに、子供も大人もあるのか?」
そんなの知らないから。でも、こういう事をされるのは困るというはハッキリしている。
また黙り込んだ私を見下ろして、翔梧が首を傾げた。
「何を考えているんだ?」
「パワハラに該当するか、もしくはセクハラに該当するか考えています」
「別に俺はつきあえと強要しているわけではないし、嫌がっているお前にベタベタ触っているわけでもない」
連絡先を教えたくないと伝えてはいないけれど、それとなく匂わせているのに聞いてくるのは該当しないんでしょうか。
溜め息をついて歩きだしたら、思った通り翔梧は私の隣をついてきた。
「今度のプロジェクト。あなたもミーティングに参加するんですか?」
「毎回ではないかもしれないが」
それなら、その都度会うことにはなりそうだ。
バックから名刺入れを取り出して、会社用の連絡先が記載されている方の名刺を出し、それを指先で渡す。
「これでいいですか」
「……私用連絡先じゃなさそうだな」
名刺を一瞥して、翔梧は冷静に呟いた。
まぁ、その通りなわけですが。
「とりあえず、家まで送る」
「結構です」
「じゃあ、食事に誘ってもいいか?」
……翔梧って、こんな人だったかな。ああ、でも、つきあうまではこんな感じだったかも。
いわゆる、釣るまで撒き餌をばらまいて、釣った魚には餌をやらないタイプということか。
またまた黙り込んだら、今度は顔をしかめられた。
「また何を考えているんだよ」
「これはストーカー行為に該当するか検討しています」
「……それは否定しきれないから、訴えるのはやめてほしい」
それは自覚しているんだ?