心の中を開く鍵
翔梧はそのまま店内に入って来た。
「晩飯か?」
にこやかに近づいてきた店員さんを振り切って、スタスタと真っ直ぐ私の目の前まで来るとそう言った。
……冷たくするべきか、友達として接するべきか。まだ決めていないのに、こんなところで会うなんて最悪。
迷っている間に、翔梧は勝手に席に座る。
「ここは何がうまいんだ?」
いや、あなた……当然のように座っているけど、それはどうなの?
でもなぁ、ものすごーく嬉しそうだしなぁ……。
これであっちに行け、と言うのも大人げない気がするし。
「……今日はうちでミーティング予定はなかったよね?」
今、高野商材が絡むミーティングで、私が把握していないものもないと思うんだけど。
「うちが取引してんのは、何も真由の会社だけじゃないだろ」
まぁ、高野商材も、そこそこ手広いから……。
溜め息をついて、メニューを差し出すと、翔梧はそれを持ちながら私を見た。
「……なんだ、調子悪いのか?」
「どうして?」
「サラダだけの晩飯って、どうなんだよ」
色々悩みも増えてしまって食欲も失せますよ。元凶が何を言う。
「……ここはパスタが美味しいよ。オムレツセットもあるけど、お子さまランチに見えていいなら、ソレを頼みなよ」
翔梧はメニューを開きながら頷いた。
「さすがにそれは遠慮するか。それよりも、顔色が悪い」
目を丸くして翔梧を見ると、彼は真剣にメニューを眺めている。
私、顔色が悪い?
コンパクトを取り出して自分の顔を眺めると、眉間にシワが寄っている自分に気がついたけど、別に顔色は悪くないよ?
不思議そうに翔梧を見ると、目元を指差される。
「目の下に隈がある。真由は昔から寝不足だとそうなるよな」
……まぁ、寝不足の自覚はあるね。
「まぁ、俺のこと考えてくれてるなら嬉しいけど、身体壊すまで考えんな」
考えないわけがないじゃないか。
「晩飯か?」
にこやかに近づいてきた店員さんを振り切って、スタスタと真っ直ぐ私の目の前まで来るとそう言った。
……冷たくするべきか、友達として接するべきか。まだ決めていないのに、こんなところで会うなんて最悪。
迷っている間に、翔梧は勝手に席に座る。
「ここは何がうまいんだ?」
いや、あなた……当然のように座っているけど、それはどうなの?
でもなぁ、ものすごーく嬉しそうだしなぁ……。
これであっちに行け、と言うのも大人げない気がするし。
「……今日はうちでミーティング予定はなかったよね?」
今、高野商材が絡むミーティングで、私が把握していないものもないと思うんだけど。
「うちが取引してんのは、何も真由の会社だけじゃないだろ」
まぁ、高野商材も、そこそこ手広いから……。
溜め息をついて、メニューを差し出すと、翔梧はそれを持ちながら私を見た。
「……なんだ、調子悪いのか?」
「どうして?」
「サラダだけの晩飯って、どうなんだよ」
色々悩みも増えてしまって食欲も失せますよ。元凶が何を言う。
「……ここはパスタが美味しいよ。オムレツセットもあるけど、お子さまランチに見えていいなら、ソレを頼みなよ」
翔梧はメニューを開きながら頷いた。
「さすがにそれは遠慮するか。それよりも、顔色が悪い」
目を丸くして翔梧を見ると、彼は真剣にメニューを眺めている。
私、顔色が悪い?
コンパクトを取り出して自分の顔を眺めると、眉間にシワが寄っている自分に気がついたけど、別に顔色は悪くないよ?
不思議そうに翔梧を見ると、目元を指差される。
「目の下に隈がある。真由は昔から寝不足だとそうなるよな」
……まぁ、寝不足の自覚はあるね。
「まぁ、俺のこと考えてくれてるなら嬉しいけど、身体壊すまで考えんな」
考えないわけがないじゃないか。