心の中を開く鍵
ブラブラする足が落ち着かない。と言うか怖い。慌てて翔梧の首にしがみつくと、そのまま抱き締められて瞬きする。
「ちょ……っ」
言いかけたら、柔らかいものが唇に触れて黙りこんだ。
それを翔梧は小さく笑って、今度はゆっくりと近づいてきたから、目を瞑ると唇が重なった。
暖かい……。私、翔梧とキスをするの好きかも。
月明かりに照らされて、何度もキスを交わし合ううちに、次第にそれが深く激しくなっていって、息苦しくなってくる。
きゅっと、翔梧のシャツを掴んだら、最後に舌を甘噛みされて離れていく唇。
目を開けると、真面目な顔をしているけれど、どこか困ったような表情が見えた。
「真由……」
「うん?」
「付き合ってくれるか?」
静かな声に頷いて、それからストンと下ろされた。
それでもお互いに抱き締めあったまま、しばらくしてから翔梧がポツリと口を開く。
「……できる限り一緒にいるから」
「……翔梧」
胸元にピッタリとくっついていたら、とても解ることがひとつある。
「脈拍、超早い」
「頑張ってキメようとしてんだから、それは言うんじゃねーよ」
ふて腐れながら言うから、思わず笑ってしまった。
「全然、キメ台詞になっていなかったけど?」
「ひでぇ」
ますますふて腐れた翔梧と手を繋いで、コテージに向かって歩きだす。
近くになってテラスを見上げると、部長さんが缶ビールを飲みながら片手を振っていた。
「仲直りできたみたいだな」
翔梧と顔を見合わせると、どことなく恥ずかしくて、お互いに視線を逸らした。
「……まぁ、今度、ふたりで改めて挨拶しにこい。仲人くらいはやってやるから」
その言葉に私も翔梧もぎょっとして、部長さんを凝視する。
「なんだ。まだか……さっさとモノにしないと、お前の事だからまた逃げられるぞー?」
「砂川さん、ちょ……っ」
「ああ。それよか、独占欲強すぎて怖がられる方が先か?」
「砂川さーん!」
情けない表情の翔梧に吹き出して、それから思いきり笑いはじめる。
翔梧の会社も、なかなか面白い人がいると思うんだけどねー?
それは、本当に月明かりの綺麗な夜だった。
「ちょ……っ」
言いかけたら、柔らかいものが唇に触れて黙りこんだ。
それを翔梧は小さく笑って、今度はゆっくりと近づいてきたから、目を瞑ると唇が重なった。
暖かい……。私、翔梧とキスをするの好きかも。
月明かりに照らされて、何度もキスを交わし合ううちに、次第にそれが深く激しくなっていって、息苦しくなってくる。
きゅっと、翔梧のシャツを掴んだら、最後に舌を甘噛みされて離れていく唇。
目を開けると、真面目な顔をしているけれど、どこか困ったような表情が見えた。
「真由……」
「うん?」
「付き合ってくれるか?」
静かな声に頷いて、それからストンと下ろされた。
それでもお互いに抱き締めあったまま、しばらくしてから翔梧がポツリと口を開く。
「……できる限り一緒にいるから」
「……翔梧」
胸元にピッタリとくっついていたら、とても解ることがひとつある。
「脈拍、超早い」
「頑張ってキメようとしてんだから、それは言うんじゃねーよ」
ふて腐れながら言うから、思わず笑ってしまった。
「全然、キメ台詞になっていなかったけど?」
「ひでぇ」
ますますふて腐れた翔梧と手を繋いで、コテージに向かって歩きだす。
近くになってテラスを見上げると、部長さんが缶ビールを飲みながら片手を振っていた。
「仲直りできたみたいだな」
翔梧と顔を見合わせると、どことなく恥ずかしくて、お互いに視線を逸らした。
「……まぁ、今度、ふたりで改めて挨拶しにこい。仲人くらいはやってやるから」
その言葉に私も翔梧もぎょっとして、部長さんを凝視する。
「なんだ。まだか……さっさとモノにしないと、お前の事だからまた逃げられるぞー?」
「砂川さん、ちょ……っ」
「ああ。それよか、独占欲強すぎて怖がられる方が先か?」
「砂川さーん!」
情けない表情の翔梧に吹き出して、それから思いきり笑いはじめる。
翔梧の会社も、なかなか面白い人がいると思うんだけどねー?
それは、本当に月明かりの綺麗な夜だった。