その手が暖かくて、優しくて
生徒会潜入
いよいよ投票日まで5日を残すのみとなった放課後。
亜里沙と瑞希はいつものファミリーレストランにいた。そこには瑞希が連れて来た佐藤と、現在、停学中の健介もいた。
「亜里沙、今の状況が不利なのは知ってるよね」
「うん…」
「こうなったら、一発逆転の手はひとつしかないと思うの」
「………」
瑞希の話を亜里沙は黙ったまま聞いていた。
「それは、今の生徒会の不正を暴いて、その証拠を掴み、やつらを失脚させるのよ」
「でも…そんなこと、できるの?」
不安そうに、そう尋ねる亜里沙に
「やるしかないわ」
瑞希が強い口調で答えたとき、彼女たち4人のテーブルに、もう一人近付いてくる生徒がいた。
「え?確か…このひとは…?」
風紀委員の金森だった。
警戒する亜里沙に瑞希が
「大丈夫。彼は、うちらの味方だよ。」
彼女は、そう言ったが、亜里沙には、まだ事情が飲み込めてなかった。
そして、
いまだ困惑している亜里沙の前に座った金森は
「生徒会長の綾小路と会計係の金田が、つるんで生徒会費を私的に流用してるという疑いがあるんだ。その証拠を掴んで我々の手で告発する。」
なんだかサスペンスっぽくなってきた展開に、亜里沙は驚きながら、ただ金森の説明を聞いていた。
「作戦はこうだ。今夜、やつらの事務局に忍び込む。侵入ルートや見廻りのタイミングと人数は既に調べてある。そしてターゲットは金田のパソコンのデータだ。やつの部屋までの合鍵も確保したし、パソコンのパスワードも調べた。」
「…………」
亜里沙は、「なんだか、すごいことになってきちゃった…」と少し引いてしまったが、金森の出現と彼の冷静な言葉に
「でも、うまくいくかも…」
とも思った。
それに、このスリリングな展開に少しワクワクもしていた。
亜里沙以外の四人は既に、この作戦への覚悟ができていたらしく
「この5人でやるよ。決行は今夜!」
という瑞希の言葉でファミリーレストランでの打ち合わせは終わり、彼女たちは一旦、解散した。
亜里沙と瑞希はいつものファミリーレストランにいた。そこには瑞希が連れて来た佐藤と、現在、停学中の健介もいた。
「亜里沙、今の状況が不利なのは知ってるよね」
「うん…」
「こうなったら、一発逆転の手はひとつしかないと思うの」
「………」
瑞希の話を亜里沙は黙ったまま聞いていた。
「それは、今の生徒会の不正を暴いて、その証拠を掴み、やつらを失脚させるのよ」
「でも…そんなこと、できるの?」
不安そうに、そう尋ねる亜里沙に
「やるしかないわ」
瑞希が強い口調で答えたとき、彼女たち4人のテーブルに、もう一人近付いてくる生徒がいた。
「え?確か…このひとは…?」
風紀委員の金森だった。
警戒する亜里沙に瑞希が
「大丈夫。彼は、うちらの味方だよ。」
彼女は、そう言ったが、亜里沙には、まだ事情が飲み込めてなかった。
そして、
いまだ困惑している亜里沙の前に座った金森は
「生徒会長の綾小路と会計係の金田が、つるんで生徒会費を私的に流用してるという疑いがあるんだ。その証拠を掴んで我々の手で告発する。」
なんだかサスペンスっぽくなってきた展開に、亜里沙は驚きながら、ただ金森の説明を聞いていた。
「作戦はこうだ。今夜、やつらの事務局に忍び込む。侵入ルートや見廻りのタイミングと人数は既に調べてある。そしてターゲットは金田のパソコンのデータだ。やつの部屋までの合鍵も確保したし、パソコンのパスワードも調べた。」
「…………」
亜里沙は、「なんだか、すごいことになってきちゃった…」と少し引いてしまったが、金森の出現と彼の冷静な言葉に
「でも、うまくいくかも…」
とも思った。
それに、このスリリングな展開に少しワクワクもしていた。
亜里沙以外の四人は既に、この作戦への覚悟ができていたらしく
「この5人でやるよ。決行は今夜!」
という瑞希の言葉でファミリーレストランでの打ち合わせは終わり、彼女たちは一旦、解散した。