その手が暖かくて、優しくて
深夜の旭が丘校舎は暗く、静寂に包まれていた。
学校正面の正門の辺りで佐藤が
「じゃあ、健介はここで。正門周辺や校舎をここから見てて何か異変があったら、すぐ知らせてくれ。」
見張り役の健介をそこに残し、他の4人は金森について教職員用玄関に向かった。
相変わらず周囲は静まりかえっている。
事前の金森の調査のとおり、玄関脇にある守衛室には誰もいなかった。
音がたたないよう注意深く、入口の扉を開け、4人は校舎内に入った。
そこから少しだけ進み、突き当たった廊下で、佐藤は西側階段に向かうため左へ。亜里沙たち3人は右に行った。
その夜は曇り空で星も月も出ていなかった。
そのため、深夜の校舎内の廊下は暗く、そんなところを懐中電灯もなしに進むため、先頭を行く金森は時折、足を止め、辺りを警戒しながら、静かに東側階段に近づいて行った。
ようやく階段の上り口に到着し、そこで金森は一度、腕時計を見て時間を確認した。
作戦開始から5分。いまのところ計画どおりだ。
足音をたてないよう慎重に、一段一段、階段を上っていく。
金森と瑞希の背中を追う亜里沙も緊張していた。
3階から4階へ上がる階段まで来たとき、金森は瑞希と亜里沙に「ここで、待つように」と手で合図をしてから、一人で静かに4階へと上って行った。
少しだけ、人が動く音と気配がした後に、無事、見張りを片付けた金森が上から手招きで亜里沙たちを呼んだ。
西側の佐藤からも「西側の制圧を完了した。」とメッセージが届いた。
階段を登りきった廊下は静まりかえっていた。
そこを迷うことなく、金田の部屋まで進んだ金森は、入口の扉の鍵穴に持っていた合鍵を差し込んだ。
ガチャリ…
あっけなく鍵は開き、亜里沙を見張りとして、そこに残して、金森と瑞希は部屋のなかに入って行った。
真っ暗な室内の奥に、窓から差し込む僅かな明かりによって金田のデスクと、そこに置かれたパソコンが見える。
なおも用心深く、ゆっくりと金田のデスクまで、たどり着いた金森はパソコンの電源を入れた。
起動画面にパスワード入力を要求するメッセージが現れる。
彼は、そこに
「P・U・R・U・R・U・0・0」と入力した。
学校正面の正門の辺りで佐藤が
「じゃあ、健介はここで。正門周辺や校舎をここから見てて何か異変があったら、すぐ知らせてくれ。」
見張り役の健介をそこに残し、他の4人は金森について教職員用玄関に向かった。
相変わらず周囲は静まりかえっている。
事前の金森の調査のとおり、玄関脇にある守衛室には誰もいなかった。
音がたたないよう注意深く、入口の扉を開け、4人は校舎内に入った。
そこから少しだけ進み、突き当たった廊下で、佐藤は西側階段に向かうため左へ。亜里沙たち3人は右に行った。
その夜は曇り空で星も月も出ていなかった。
そのため、深夜の校舎内の廊下は暗く、そんなところを懐中電灯もなしに進むため、先頭を行く金森は時折、足を止め、辺りを警戒しながら、静かに東側階段に近づいて行った。
ようやく階段の上り口に到着し、そこで金森は一度、腕時計を見て時間を確認した。
作戦開始から5分。いまのところ計画どおりだ。
足音をたてないよう慎重に、一段一段、階段を上っていく。
金森と瑞希の背中を追う亜里沙も緊張していた。
3階から4階へ上がる階段まで来たとき、金森は瑞希と亜里沙に「ここで、待つように」と手で合図をしてから、一人で静かに4階へと上って行った。
少しだけ、人が動く音と気配がした後に、無事、見張りを片付けた金森が上から手招きで亜里沙たちを呼んだ。
西側の佐藤からも「西側の制圧を完了した。」とメッセージが届いた。
階段を登りきった廊下は静まりかえっていた。
そこを迷うことなく、金田の部屋まで進んだ金森は、入口の扉の鍵穴に持っていた合鍵を差し込んだ。
ガチャリ…
あっけなく鍵は開き、亜里沙を見張りとして、そこに残して、金森と瑞希は部屋のなかに入って行った。
真っ暗な室内の奥に、窓から差し込む僅かな明かりによって金田のデスクと、そこに置かれたパソコンが見える。
なおも用心深く、ゆっくりと金田のデスクまで、たどり着いた金森はパソコンの電源を入れた。
起動画面にパスワード入力を要求するメッセージが現れる。
彼は、そこに
「P・U・R・U・R・U・0・0」と入力した。