イジワル同居人は御曹司!?
「青池…さん、今日の事は」

「誰にも言いません。藤田さんにはお世話になってるんで」

ゆうぽんはクールに言い放つと「お疲れーす」と言って車を降りて行った。

「多分、ゆうぽんは大丈夫だと思う」

私は後部座席で横になったまま言う。

「ま、加藤さんにバレるよりかマシだったな」

奏さんは肩を竦めると車を発進させた。


家に到着すると、奏さんに寄りかかりながらゆっくり自分の部屋まで移動する。

身体が密着し過ぎ!とか余計な事を考える余裕なんて全くなくて、只々部屋まで辿り着くことに意識を集中させる。

いつの間にか額に汗が滲んでいた。

階段を上がり、部屋のドアを開ける。

奏さんは部屋に入っていいものかと一瞬戸惑ってたみたいだけど、今となってはどうでもいい。

例え部屋が朝出たまま散らかっていたとしても…。

「汚い部屋だな」奏さんはボソリと呟く。

余計なお世話だ。

私はベッドによじ登りゴロリと横たわった。

スカートが捲れあがり、お行儀が悪いけど気に留める余裕はない。
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