イジワル同居人は御曹司!?
一騒動の後、お風呂に入りベッドに横になる。

ぼんやりスマートフォンを眺めていると、窓に雨粒が叩きつける音が聞こえてくる。

爆弾低気圧が本領を発揮してきたようで雨風が強くなってきた。

時折突風が吹きつける度に家がギシギシと悲鳴をあげる。

ピカリと空が光り、ゴロゴロと雷の音まで聞こえてきた。

ボロいから屋根とか吹っ飛んだりしないよね。

ふと不安が胸を過る。

体調が悪い時というのは、いつもより弱気になってしまうようだ。

だって、今の私は歩く事すらままならないから。

スマートフォンでゆうぽんと歩にお礼と報告のメールを送っていると、お腹に響き渡るくらい大きな雷鳴が轟き身体がビクっ痙攣する。

近くに落ちたのかな。

それをかわきりに、天を割き地面を揺らすような雷が立て続けに鳴り響く。

特に雷が苦手ではないけど、もう30だし、流石にこれほど大きな音だと寝付けそうにもない。

しかも、しっかりお昼寝しちゃったしね。

気を取り直し再びメールを送ろうとすると、パツンという乾いた音がして、真っ暗になる。

て、停電…?

窓の外も真っ暗で灯りが見えない。

辺り一帯、電気の供給がとまってしまったようだ。

暫く様子を伺ってみたものの電気が復旧する気配はない。

真っ暗闇の中、雷が鳴り響くのはやはり気味が悪い。
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