イジワル同居人は御曹司!?
私はパソコンの電源を入れて、メールをチェックする。
至急の用件だけに返信すると、手帳を片手に席を立った。
「秘書室に社長検印もらってくる」
「朝一で行くんすか?」
「ええ。超重要緊急案件だから」
いってらっしゃーい、と言ってゆうぽんは気だるそうにヒラヒラと手を振った。
私はエレベーターに乗り込むと最上階の21階で降りる。
秘書室の中に入ると、月曜日の朝っぱらにもかかわらずパソコンに向かってキビキビと仕事をこなしている目的の人物を発見した。
「あら、紗英、怖い顔してどうしたの?」
強張った顔の私を見て、歩はキョトンとしている。
「羽瀬さん、ちょっとミーティングいいですか?」
役員付きの秘書を務めている歩が、21階にある重要クライアント用の会議室を貸し切った。
ハッキリ言って職権乱用だ。
「帰ってきちゃったか、あのメガネ」歩は渋い表情で額を押さえる。
「お兄さんがいるなんて一っ言もいってなかったじゃない!」
私は目をウルウルさせて結婚を迫る女のごとく歩に必死に食い下がる。
「うん、いないものとして考えてたからね。3年前仕事でアメリカに赴任してから一度も会ってなかったし」
歩は普段のキャラからは考えられないほどドライな発言である。
「仲悪いの?」私は恐る恐る尋ねる。
「紗英は兄ともう話したんでしょ。あの人と仲良し兄弟になんてなれると思う?」
それは絶対無理だろう。
私は苦笑いを浮かべてスル―する。
至急の用件だけに返信すると、手帳を片手に席を立った。
「秘書室に社長検印もらってくる」
「朝一で行くんすか?」
「ええ。超重要緊急案件だから」
いってらっしゃーい、と言ってゆうぽんは気だるそうにヒラヒラと手を振った。
私はエレベーターに乗り込むと最上階の21階で降りる。
秘書室の中に入ると、月曜日の朝っぱらにもかかわらずパソコンに向かってキビキビと仕事をこなしている目的の人物を発見した。
「あら、紗英、怖い顔してどうしたの?」
強張った顔の私を見て、歩はキョトンとしている。
「羽瀬さん、ちょっとミーティングいいですか?」
役員付きの秘書を務めている歩が、21階にある重要クライアント用の会議室を貸し切った。
ハッキリ言って職権乱用だ。
「帰ってきちゃったか、あのメガネ」歩は渋い表情で額を押さえる。
「お兄さんがいるなんて一っ言もいってなかったじゃない!」
私は目をウルウルさせて結婚を迫る女のごとく歩に必死に食い下がる。
「うん、いないものとして考えてたからね。3年前仕事でアメリカに赴任してから一度も会ってなかったし」
歩は普段のキャラからは考えられないほどドライな発言である。
「仲悪いの?」私は恐る恐る尋ねる。
「紗英は兄ともう話したんでしょ。あの人と仲良し兄弟になんてなれると思う?」
それは絶対無理だろう。
私は苦笑いを浮かべてスル―する。