イジワル同居人は御曹司!?
「えーとですね…」

これはこれで…怖い。女として。

しかし、突然のことに動揺してるうえに、腰も痛いので私はジッと固まり動けないでいる。

「柔らかい」

奏さんは私の頭に頬ずりする。

お、犯される。

「奏さん!エロい事したらエライ目に遭いますからね!」

駄洒落のような虚仮威しをしてみるものの反応は、ない。

あ、あれ?

そろりと身体を引き離して様子を見ると、奏さんは目を瞑って石像のように動かない。

うそでしょ…まさかの寝落ち?

しかもこのベッド、なんだか凄く寝心地がいい

硬すぎず柔らかすぎず、絶妙な柔らかさでスプリングの軋みも全く感じない。

マットに身体が沈みこんで行くみたい。

腰への負担も大分軽減されている。

奏さんは既に眠りに落ちているようで規則正しい寝息が聞こえてくる。

腰に回された手と背中からじんわりと体温が伝わってきて暖かい。

雷がいくらゴロゴロ鳴ってても、雨がジャンジャカ降ってても、風がビュービュー吹いてても私は温もりの中にいる。

…なんだろう。

この絶対的な安心感。
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