イジワル同居人は御曹司!?
「そんなことありませんよー。藤田さんは少々ガサツで、口が悪くて、態度も声もデカイけど、顔とスタイルだけはいいってうちの部の男性陣のなかでも評判なんですよぉ!」
山下がフォローしてくれたけど、ほぼ悪口である。
「そりゃ、どうも」と引き攣った笑みを浮かべる。
その様子を見て、桜井はあははーと陽気に笑っていた。
明るく振舞っているけど、桜井は歩の事を少なからず想っていたようだ。
結婚の話を聞いて、きっとショックを受けてるに違いない。
大丈夫かな…。
不安な胸の内を隠すように、私はグビっとビールを一気に飲み干した。
飲み会がお開きになり、私と桜井は二人で地下鉄の駅へと向かう。
歩たちはJRの沿線に住んでおり、使う駅が違うので途中で別れた。
「来週あたり羽瀬兄を呼んで定例会議を開いた方がよさそうだな」
「そうだね。今後のスケジュールについても一旦話し合いたいし」
仕事の話に花を咲かせながら、地下鉄の駅へと繋がる階段を下りていき、改札を抜ける。
桜井とは方向は逆だが同じ沿線に住んでいるので、駅のホームまでは一緒だ。
「しかし羽瀬が結婚とはね」
フト会話が途切れた時に桜井がボソリと呟く。
私の鼓動が大きく跳ねた。
山下がフォローしてくれたけど、ほぼ悪口である。
「そりゃ、どうも」と引き攣った笑みを浮かべる。
その様子を見て、桜井はあははーと陽気に笑っていた。
明るく振舞っているけど、桜井は歩の事を少なからず想っていたようだ。
結婚の話を聞いて、きっとショックを受けてるに違いない。
大丈夫かな…。
不安な胸の内を隠すように、私はグビっとビールを一気に飲み干した。
飲み会がお開きになり、私と桜井は二人で地下鉄の駅へと向かう。
歩たちはJRの沿線に住んでおり、使う駅が違うので途中で別れた。
「来週あたり羽瀬兄を呼んで定例会議を開いた方がよさそうだな」
「そうだね。今後のスケジュールについても一旦話し合いたいし」
仕事の話に花を咲かせながら、地下鉄の駅へと繋がる階段を下りていき、改札を抜ける。
桜井とは方向は逆だが同じ沿線に住んでいるので、駅のホームまでは一緒だ。
「しかし羽瀬が結婚とはね」
フト会話が途切れた時に桜井がボソリと呟く。
私の鼓動が大きく跳ねた。