イジワル同居人は御曹司!?
「私、仕事なんて地味で辛くて単調でクソつまんないもんだって思ってました。その苦痛に耐えている対価にお給料を貰っているんだと」
「まあ、大抵そうだな」
奏さんは私の隣に腰を下ろす。
「だけど、時にはこんな充実感を味わえる時もあるんですね」
会議で承認を貰った時の高揚感を思い出して、ホゥと小さく息をつく。
「そう思うのは、紗英が一生懸命仕事をしたからだろ」
なによ…性悪メガネのくせに…
思いがけず優しい言葉をかけられて胸がジンとしてしまう。
「まさか本当に何億もの予算を捕ってくると思わなかった」
私をみつめる目が柔らかく綻ぶ。
よくやった、と言って、くしゃりと頭を撫でる。
やばい…涙出そう。
奏さんに認められた事がこんなにも嬉しいなんて。
「そ、そういえば!」
目頭が熱くなったのを誤魔化すために話しを変える。
「経営会議に通ったので、車の修理代も払いませんから!」
私は言った。言いきった。
誤魔化すためとはいえ、あまりにも可愛気がない。自分でもちょっと引く。
ここで素直にお礼の一つでも言えたらいいのに。
「…なんか狡くないか?」
奏さんは口を横に結ぶ。
ああ、やっぱり何処か不満気だ。
「まあ、大抵そうだな」
奏さんは私の隣に腰を下ろす。
「だけど、時にはこんな充実感を味わえる時もあるんですね」
会議で承認を貰った時の高揚感を思い出して、ホゥと小さく息をつく。
「そう思うのは、紗英が一生懸命仕事をしたからだろ」
なによ…性悪メガネのくせに…
思いがけず優しい言葉をかけられて胸がジンとしてしまう。
「まさか本当に何億もの予算を捕ってくると思わなかった」
私をみつめる目が柔らかく綻ぶ。
よくやった、と言って、くしゃりと頭を撫でる。
やばい…涙出そう。
奏さんに認められた事がこんなにも嬉しいなんて。
「そ、そういえば!」
目頭が熱くなったのを誤魔化すために話しを変える。
「経営会議に通ったので、車の修理代も払いませんから!」
私は言った。言いきった。
誤魔化すためとはいえ、あまりにも可愛気がない。自分でもちょっと引く。
ここで素直にお礼の一つでも言えたらいいのに。
「…なんか狡くないか?」
奏さんは口を横に結ぶ。
ああ、やっぱり何処か不満気だ。