イジワル同居人は御曹司!?
本日の会議に基づきリニューアルオープンまでのアクションシートを作成する。

何時までに、誰が、何をやる、という日程表みたいなもんだ。

「藤田さん、私仕事終わりましたけど手伝うことありますか?」

ゆうぽんから声を掛けられて時計を見ると、すでに19:00を過ぎていた。

「ありがとう、大丈夫だよ」

「でも、帰って夕飯の仕度はしなくていいんですか?」

「うん、多分帰って来ないと思うから」

ゆうぽんは肩で息をつき、私の顔をジッと見る。

何も言われてないけど、何となく責められてる感じ。

「どうせ作ったって捨てるだけだし」

自分の言った台詞が想いの他胸に沁みる。

朝起きて、昨晩作った夕飯がそのまんま置いてあった時のガッカリ感?

ローキックのように、徐々にだけど確実にダメージを与えられる。

「一回、羽瀬さんと話した方がいいと思います。余計なお世話ですけど」

「うん、ありがとうね」

おつかれーす、と言ってゆうぽんはオフィスを後にする。

ゆうぽんはド派手だし、愛想もないけど、先輩の心配してくれる優しい子だ。

そんな風に気に掛けてくれるだけで、少し救われる気がする。

私は再び資料作成に取り掛かかった。
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