イジワル同居人は御曹司!?
「3着なら付き合おう。対価は彩華苑の飲茶だ」

彩華苑はこのホテルの高層階にある高級中華料理店だ。

「わかった。終わったら三人で食べて行こう」

しかし、歩はすんなり了承。

流石セレブの婚約者がいるだけあって余裕だ。羨ましい。

「オーダーメイドのドレスなどもご用意がありますが」

すかさず、大木がセールストークをしてくると、ああ、要らない、と言って歩はヒラヒラと手を横に降る。

「結婚式が終わったら着ないと思うから」

歩は一見するとすごく女性らしいけど、こうゆうサバサバしたところは男性みたいだ。

「ではお支度が出来ましたらお声掛けしますね」

サロンスタッフが窓辺に置かれた待合用のソファーに案内してくれた。

奏さんは長い脚を組みゆったりと座る。

私はその横にちょこんと腰を下ろした。

「素敵なドレスが沢山ありますねー。私も着てみたくなっちゃった」

なあんて、可愛いらしい事を言ってみる。

「冷やかしは嫌がられるぞ」

が、しかし、普通に注意されて終わる。

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