イジワル同居人は御曹司!?
遡る事、一ヶ月前―――
「う…うそでしょ…」
私は自宅マンションの前で呆然と立ち尽くす。
モクモクと大量の煙が立ち昇り、こ洒落た白い外壁は今や真っ黒だ。
黒山の人だかりの先には赤い消防車が数台止まっている。
「どーゆーことよーーー!!」
私は絶叫しながら、立ち入り禁止のテープを突っ切ってマンションに駆け寄ろうとする。
が、しかし寸手のところで消防隊員にガッツリ止められた。
「離してよ!私の部屋が燃えてんのよ?!」
眉を吊りあげて仁王像のような顔で消防隊員に食ってかかる。
「安心してください!燃えてません!消火しましたから」
若い消防隊員は誇らしげにドヤ顔で言う。
確かに丸焦げのマンションは水浸しになっている。
「ひい!」と短い悲鳴が喉まで出かかった。
「だったら入ってもいいじゃない!」
「まだ危険ですから建物に近づくことはできません」
私がジタバタ暴れても消防隊員は腕を抑える力を緩めようとしない。
「だって!私の洋服が…!先月かったばっかりのシャネルのバックが!マノロブラニクの靴が!テレビが!冷蔵庫が!!生活全てが!!!」
涙目で訴えると消防隊員は同情の眼差しで首を横に振る。
お願い…誰か嘘だと言って
クラリと目眩がする。
『絶望』
その二文字が頭に浮かんだ。
「う…うそでしょ…」
私は自宅マンションの前で呆然と立ち尽くす。
モクモクと大量の煙が立ち昇り、こ洒落た白い外壁は今や真っ黒だ。
黒山の人だかりの先には赤い消防車が数台止まっている。
「どーゆーことよーーー!!」
私は絶叫しながら、立ち入り禁止のテープを突っ切ってマンションに駆け寄ろうとする。
が、しかし寸手のところで消防隊員にガッツリ止められた。
「離してよ!私の部屋が燃えてんのよ?!」
眉を吊りあげて仁王像のような顔で消防隊員に食ってかかる。
「安心してください!燃えてません!消火しましたから」
若い消防隊員は誇らしげにドヤ顔で言う。
確かに丸焦げのマンションは水浸しになっている。
「ひい!」と短い悲鳴が喉まで出かかった。
「だったら入ってもいいじゃない!」
「まだ危険ですから建物に近づくことはできません」
私がジタバタ暴れても消防隊員は腕を抑える力を緩めようとしない。
「だって!私の洋服が…!先月かったばっかりのシャネルのバックが!マノロブラニクの靴が!テレビが!冷蔵庫が!!生活全てが!!!」
涙目で訴えると消防隊員は同情の眼差しで首を横に振る。
お願い…誰か嘘だと言って
クラリと目眩がする。
『絶望』
その二文字が頭に浮かんだ。