イジワル同居人は御曹司!?
「罰としてセクハラチケットを1枚使用する」

ええ?!今ここで?

っていうか、セクハラっていつからチケット制になったんだっけ?

なんて考えているうちに、奏さんの唇がふんわりと重なる。

私は両手で身体を押し返して咄嗟に抵抗する。

が、男性の力に敵う訳もなく長い腕で抱き寄せられた。

ソファーの周囲にはぐるりとドレスが掛かっているので、人目はある程度しのげる。

だけどブライダルサロンで不謹慎なことをしてたらバチが当たりそう…。

お嫁に行けなくなったらどうしよう。

勝手な妄想に一人焦り、身体を捩って腕から逃れようとする。

それが逆に奏さんの嗜虐心を煽ったのか、より深く口づけられる。

するりと歯列を割り舌が差し入れられると、微かに残った理性も絡め取って行く。

この背徳感といつ誰に見られるかわからないスリルが一層二人を燃え立たせているようだ。

キスの合間に互いの熱い吐息が洩れる。

ああ、私はスッカリ変態だ。

勢いづいた奏さんは私をソファーに組敷いた。

薄らと目を開くと色とりどりのカラードレスがぼやけて見えてお花畑にでもいるみたい。

私は奏さんの背中に腕を回し蕩けるような甘いキスを享受する。
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