イジワル同居人は御曹司!?
側まで近づいていった所で俺はある異変に気が付いた。

焦げ茶のロングヘアに長い睫毛。

唇はふっくらしていていかにも柔らかそうだ。

タンクトップと短パンからスラリと伸びた肢体を投げ出して眠っている。

…妹ってこんな顔だったけか。

もしかしたら、3年の間にイメチェンしたのかもしれない。

「おい、起きろ」

声をかけると瞼が何度か痙攣しゆっくりと目が開く。

俺とバチリと目が合った瞬間、慌てて飛び起きた。

目をまん丸にして俺をジッと見つめている。

…妹じゃない。

誰だ。この女は。

猫のような切れ長のつり目に漆黒の瞳、口元の小さなホクロがなかなか色っぽい。

大きくないものの、ふっくらと丸みを帯びたバストに、細っそりとした太もも。

滑らかそうな白い肌には思わず触れてみたくなる。

「貴方は誰？」

俺の邪な思考を見抜いたかのように、その瞳には不審感がありありと浮かんでいる。

「お前こそ誰だ？」

どうやら俺の留守中に野良猫が迷いこんだらしい。
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